はじめに
「最近のアニメって、なんかピンとこないんだよね…」
もしあなたがそう感じているなら、それはあなただけではありません。SNSやインターネットの掲示板でも、「最近のアニメはつまらない」「昔のほうが面白かった」という声をよく見かけます。
確かに、毎クール驚くほどたくさんのアニメが放送されていますが、その中で本当に心に残る作品に出会えるのは難しいと感じる方もいるでしょう。
この記事では、なぜ「最近のアニメはつまらない」と言われるのか、その理由を深掘りしつつ、本当に今の時代のアニメは面白くないのかを検証していきます。そして、もしあなたがアニメに対する情熱を失いかけているなら、もう一度アニメを楽しむためのヒントと、おすすめの視聴方法をご紹介します。
なぜ「最近のアニメはつまらない」と言われるのか
まずは、多くの人が抱くこの疑問に正面から向き合ってみましょう。一体なぜ、このような声が大きくなっているのでしょうか。
似たような設定やキャラクターが増えている
最近のアニメ、特に深夜アニメで顕著なのが、「異世界転生」や「悪役令嬢」といった特定のジャンルに作品が集中していることです。もちろん、これらのジャンルにはそれぞれ面白い設定や魅力的なキャラクターがいますが、あまりにも多くの作品が同じようなテーマを扱っていると、どうしても新鮮味が薄れてしまいます。
例えば、「トラックにはねられて異世界に転生する」という導入は、一時期ブームになりましたが、今では「またか…」と感じてしまう人も少なくありません。設定や展開がテンプレート化していると感じると、物語の先が読めてしまい、視聴意欲が下がってしまうのも無理はありません。

原作付きアニメの乱立とクオリティの差
現在放送されているアニメの多くは、マンガ、小説、ゲームなどの原作があります。これは、すでに人気のある作品をアニメ化することで、ある程度の視聴者が見込めるというメリットがあるからです。
しかし、その一方で問題も生じています。
まず、原作のストックが少ないうちにアニメ化されてしまい、物語の途中でオリジナルの展開になってしまったり、駆け足で終了してしまったりするケースです。原作ファンからすれば、期待していたシーンがカットされたり、納得のいかない結末になったりすると、「原作を汚された」と感じてしまうことがあります。
また、原作の人気に便乗して、アニメーションのクオリティが十分でないまま放送される作品も散見されます。作画が不安定だったり、演出が単調だったりすると、どんなに面白い物語でも魅力が半減してしまいます。
アニメ制作本数の多さによる飽和状態
日本動画協会が発表しているデータによると、日本で制作されるアニメーション作品のタイトル数は、2000年代以降、年々増加の一途をたどっています。これは、日本アニメの人気が高まり、制作技術が進歩した結果でもありますが、その反面、市場が飽和状態に陥っているとも言えます。
毎クール、テレビでは30〜40本、配信サービスを含めればさらに多くの新作アニメが公開されています。これだけ多くの作品があると、すべてをチェックするのは物理的に不可能です。話題の作品を見ようにも、その数が多すぎてどれから手をつければいいのか分からなくなってしまいます。
そして、多くの作品が並ぶ中では、どうしても埋もれてしまう作品も出てきます。良作であっても、話題にならないまま放送が終わってしまうことも珍しくありません。結果として、「面白い作品がない」と感じてしまうのかもしれません。
本当に最近のアニメはつまらないのか?
ここまで、ネガティブな側面ばかりを見てきましたが、果たして本当に最近のアニメは面白くないのでしょうか?いいえ、決してそんなことはありません。先ほどの議論は、あくまで「多くの人がつまらないと感じるかもしれない理由」であって、作品そのものの価値を否定するものではありません。
実は、最近のアニメにも、その時代ならではの面白さや魅力がたくさんあります。
話題作はSNSで盛り上がる
毎クール必ずと言っていいほど、SNSで大きな話題になる作品が登場します。たとえば、社会現象にもなった『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』、海外からも高い評価を受けた『進撃の巨人 The Final Season』などが代表的です。これらの作品は、緻密なストーリー、圧倒的な作画、心を揺さぶる演出によって、多くの視聴者を虜にしました。
SNSのタイムラインがその話題で埋め尽くされ、「今週もやばい!」「あのシーン最高だった!」といった感想が飛び交うのを見れば、最近のアニメが決してつまらないわけではないことがわかるでしょう。むしろ、リアルタイムでその感動を分かち合える「お祭り感」は、今の時代だからこそ楽しめる大きな魅力です。
日常系やニッチな作品は根強い人気
派手なアクションや壮大な物語だけがアニメの魅力ではありません。登場人物たちの何気ない日常を丁寧に描いた「日常系」アニメや、特定の趣味や文化を掘り下げた「ニッチな作品」も根強い人気を誇っています。
例えば、キャンプの魅力を描いた『ゆるキャン△』は、多くの視聴者に癒しと感動を与え、実際にキャンプを始めるきっかけにもなりました。また、『宇宙よりも遠い場所』のように、女子高生が南極を目指すという一風変わった設定の作品は、多くの人々の心を打ち、アニメファンの間で今なお語り継がれています。
これらの作品は、大衆的な人気とは少し違うかもしれませんが、特定の層に深く刺さり、熱狂的なファンを生み出しています。
海外評価と国内評価の違い
日本のファンの間では「最近のアニメは…」と言われる一方で、海外のアニメファンからの評価は非常に高いことが多いです。
例えば、海外のレビューサイトやSNSでは、日本の視聴者があまり注目していない作品が「傑作」と絶賛されていたりします。これは、海外のファンが日本の「アニメ文化」そのものをリスペクトしており、多様なジャンルや表現方法を受け入れる土壌があるからかもしれません。
海外での評価を知ることで、これまで自分が興味を持たなかったジャンルの作品に触れるきっかけになることもあります。視野を広げることで、新たな面白さを見つけられる可能性は十分にあるのです。
「つまらない」と感じたときのアニメの楽しみ方
もしあなたが「最近のアニメはつまらない」と感じているなら、それは単に「自分に合う作品にまだ出会えていないだけ」かもしれません。そんな時は、少し視点を変えてみることで、アニメに対する情熱を取り戻せるかもしれません。
ジャンルを変えてみる
普段、アクションやファンタジーばかり見ているなら、たまにはミステリーや青春群像劇、SFなど、普段見ないジャンルに挑戦してみましょう。
- ミステリー: 『サマータイムレンダ』
- 青春群像劇: 『響け!ユーフォニアム』
- SF: 『PSYCHO-PASS サイコパス』
といった作品は、ストーリーやキャラクターの深みにはまり、新しい発見をもたらしてくれるはずです。
昔の名作を振り返る
「昔のアニメのほうが面白かった」と感じるなら、いっそのこと、もう一度昔の名作を観返してみるのも良いでしょう。
- 90年代の名作: 『新世紀エヴァンゲリオン』『カウボーイビバップ』
- 2000年代の名作: 『鋼の錬金術師』『コードギアス 反逆のルルーシュ』
など、時代を超えて愛される作品は、今見ても色褪せない面白さがあります。当時の感動を再び味わうだけでなく、大人になった今だからこそ気づける新たな発見があるかもしれません。
配信サービスで隠れた良作を探す
最近のアニメは本数が多すぎて、良作が埋もれてしまっていると先ほど述べました。しかし、それは配信サービスを上手に活用することで解決できます。
- 「おすすめ作品」や「人気作品」だけでなく、「最近追加された作品」や「ジャンル別」のリストをチェックしてみましょう。
- 知らないタイトルでも、まずは第1話だけ見てみるのも一つの手です。もしかしたら、その作品があなたの心に深く刺さる「運命の1作」になるかもしれません。
どの配信サービスでアニメを楽しめる?
最後に、アニメ視聴に欠かせない、おすすめの配信サービスをご紹介します。それぞれのサービスには強みがあるので、自分の視聴スタイルに合わせて選んでみましょう。
定番のdアニメストア:作品数とコスパの強み
dアニメストアは、アニメ視聴に特化したサービスです。月額550円(税込)という圧倒的な安さで、5,000作品以上という膨大な数のアニメが見放題です。
- メリット:
- とにかく作品数が多い!
- 初回利用の場合、31日間無料で、すべての見放題作品を楽しめます。期間中に解約すれば、料金は一切かかりません。
- 旧作から最新作まで幅広く網羅している
- 月額料金が安く、コストパフォーマンスが高い
- デメリット:
- アニメ以外のコンテンツはほとんどない
- 最新作の配信が遅れる場合がある
「とにかくたくさんのアニメを安く楽しみたい!」という方におすすめです。
DMM TV:コスパと独占配信が魅力の新進気鋭サービス
DMM TVは、2022年にサービスを開始した比較的新しい動画配信サービスですが、アニメに特に力を入れています。月額550円(税込)とdアニメストアと同等の安さで、新作アニメの先行・独占配信も多く行っているのが特徴です。
- メリット:
- 月額料金が安く、コストパフォーマンスが高い
- 新作アニメの独占配信や見放題作品が多い
- 初回利用の場合、14日間の無料体験に加え、DMMプレミアムの新規登録で550ポイントが付与されます。このポイントはDMM TVのレンタル作品などに利用できます。
- アニメだけでなく、映画やバラエティ、舞台など幅広いジャンルが楽しめる
- デメリット:
- 他のサービスに比べて、まだ作品数は少ない
- 独占配信以外の旧作は、網羅性に欠ける場合がある
「とにかく安く、最新のアニメをたくさん見たい!」「新しいサービスを試してみたい」という方におすすめです。
AbemaTV:地上波連動と無料配信が強み
AbemaTVは、サイバーエージェントとテレビ朝日が共同で設立したインターネットテレビ局です。深夜アニメの多くが地上波と同時に配信される*「地上波同時・見逃し放送」を実施しており、リアルタイムで最新作を楽しみたい人に最適です。
- メリット:
- 地上波とほぼ同時に最新アニメが見られる
- 多くの作品が無料で見放題(※一部有料の作品もあり)
- 24時間アニメチャンネルがあり、常に何かアニメが放送されている
- デメリット:
- 無料視聴の場合、広告が入る
- 最新作や人気作は有料の「Abemaプレミアム」会員限定の場合がある
「最新のテレビアニメを最速で追いたい!」「まずは無料で色々試してみたい」という方におすすめです。
Amazonプライム・ビデオ:最新作と旧作をバランスよく
Amazonプライム・ビデオは、Amazonプライム会員特典の一つとして利用できます。最新の地上波アニメの見逃し配信はもちろん、昔の名作もバランスよく揃っています。
- メリット:
- 最新アニメの見逃し配信が豊富
- プライム会員特典なので、追加料金なしで楽しめる
- 初回利用の場合、30日間の無料体験が可能です。プライムビデオの見放題作品はもちろん、お急ぎ便などAmazonプライムの特典もすべて利用できます。
- オリジナルドラマや映画など、コンテンツが多岐にわたる
- デメリット:
- アニメのラインナップはdアニメストアに比べると少ない
- レンタルや購入が必要な作品も多い
「買い物のついでにアニメも見たい!」「色々なコンテンツをバランスよく楽しみたい」という方におすすめです。
NetflixやDisney+、Hulu:オリジナル・独占配信に注目
NetflixやDisney+、Huluは、自社が制作・投資したオリジナル作品や、他では見られない独占配信作品が最大の魅力です。
- Netflix:
- 『サイバーパンク:エッジランナーズ』など、国内外の著名クリエイターが手掛けるハイクオリティなオリジナルアニメが強み。全話一挙配信されることも多く、一気見したい人におすすめです。
- Disney+:
- 豊富なディズニー・ピクサー作品に加え、最近では『ザ・ファブル』など独占配信の話題作も増えています。
- Hulu:
- 日テレ系の最新アニメや海外ドラマに強く、独占配信作品も豊富です。
これらのサービスは、特定の作品を見るために登録する、という利用方法も有効です。
まとめ:アニメの面白さは「自分に合う作品とサービスを見つけられるかどうか」
「最近のアニメはつまらない」と感じる理由は、一昔前に比べて作品数が増え、流行のジャンルに偏りが見られるからです。しかし、その一方で、アニメーションのクオリティは格段に向上し、表現の幅も広がっています。
結局のところ、アニメの面白さは「自分に合った作品に出会えるかどうか」、そして「その作品にいつでもアクセスできる視聴環境があるかどうか」にかかっています。
もしあなたがアニメから少し離れてしまっているなら、もう一度、新しいジャンルに挑戦したり、配信サービスを上手に活用したりして、あなただけの「本当に面白い作品」を探してみてはいかがでしょうか。
きっと、アニメが持つ無限の可能性に、再び心を奪われるはずです。


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